第2章 雄英に合格
「……つ……つかれたぁぁぁ!!」
なーんか自己紹介もそこそこに体育服を着て、体力測定始めるし。まぁ、何故か平和の象徴も見てたし、そこそこの成績でそこそこ頑張ったけど。でも、さぁ………
『 なんか気になる事でもあるのかにゃ?』
「クロシロ」
家に帰ってそうそう着替えずに寝転がる私にクロシロが声をかけてきた。私は彼の頭を撫でながら、毛並みのいい彼の背中に頭をのせた。
「んー、なんていうかさ。あの担任、思ったより曲者だったんだよね。これからに支障が出そうで困ったなぁって」
あの担任は私たちの潜在能力、そしてヒーローへの資質を見極めるためにあの洗礼をしたのだ。あれを私たちを本気にさせるための嘘だと思った人もいたのだが…
『 あの長髪、去年全員除籍にしてるからにゃ』
クロシロがペロペロと手を舐めながら言う。
「いやー怖い先生にあたったものだ。ほんと運がないんだよね私」
『 ………だったら、止めたらどうにゃ? 今にゃら間に合うにゃ』
「…………………」
私はクロシロの言葉に何の言葉も返さず、頭を起こした。
『 ………どこ行くにゃ?』
「散歩。ついでにご飯買ってくる」
『 にゃーん!』