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私の敵はヒーロー

第5章 雄英、調査期間


「……放課後は、デートなのにぃぃ!!」

チャイムが鳴り、相澤先生が出ていくのと同時に私は机の上に突っ伏した。足をバタバタさせていると、梅雨ちゃんが頭を撫でてくれた。

「けろけろ。相手は相澤先生だから無理ね。諦めた方がいいわ」

「くっ………梅雨ちゃん!!慰めてぇぇ!!」

がばっと抱きつくと、ニコニコしながら抱きしめ返してくれる梅雨ちゃん。

「いやー、お前も馬鹿だよなぁ。相澤先生の授業で寝るとは。恐れ知らずだわ」

切島がご愁傷さまと私の肩をぽんっと手を置いた。

「そうだぞ犬猫山くん!!これに懲りたらもう授業中に寝ないことだ。それに不順異性交遊もこれで………」

「へー。私の手を無理やり握った飯田くんが不順異性交遊なんていうんだー」

「なっ!?」

「飯田!!おまっ!? いつの間にそんなことを!?」

切島が嘘だろという目で飯田を見る。飯田は顔を真っ赤にしてぶんぶんと首を振った。

「ごごごご誤解だ!あれはヴィラン襲撃の緊急事態で…!!」

「あんなことされたら…もう!!お嫁に行けない!!!!」

「犬猫山くん!!勘違いされる様な言い方はやめたまえ!」

「勘違いされるようなことをしたのね。けろけろ」

「断じて違う!!!!!!」

このネタで飯田をいじるのは3度目だが、相変わらずいい反応をしてくれる。いじりがいがあるヤツだ。でも、そろそろ切り上げないと暴走して面倒な事になる。

「飯田くん、もしお嫁に行けなかったら、責任取ってくれるよね?」

「なっ!?」

顔をさらに真っ赤にさせ、地面に座り込む飯田くん。………ちとやりすぎたな。

「さぁて!!飯田くんに迷惑がかからないように、早くお嫁に貰ってくれる人を探さねば!!ってことで、私は花婿探しの旅に出る!!アデゥー!!」

なんかぶつぶつと、夫、収入、式場と言い始めた飯田をほっといて、私は教室の外へと出た。

「………おい、飯田。お前またからかわれてるぞ」

切島くんが呆れながら、飯田に言ったのを耳にしながら。
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