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私の敵はヒーロー

第4章 人命救助訓練とヴィラン連合


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「……誰?」

「ぎゃはははは!!!!馬鹿なガキだなぁ。あの時殺しちまえばよかったぜ」

……あぁ、最悪だ。やっぱり死柄木なんかの側にいくんじゃなかった。目の前のそいつは死柄木と同じ目をしていた。

「ほんと馬鹿なガキだ!!なぜ正義の味方を憎んじまったんだ?そんで俺の方に走っちまうなんてなぁ。ホント馬鹿ガキだぁ!」

「……………」

これは夢だ。悪い夢。死柄木の目を見てしまうと出てくる嫌な夢だ。すぐ覚める。

「ほんと馬鹿なガキだぜ。俺のことを怯えていたあの頃のお前に見せてやりたいよ。ぎゃはははは!!」

うるさい。あれが正義の味方なんてあるものか。ヒーローなんて全員偽善もいいところだ。所詮、地位や名誉のために正義面している偽善者共なんだから。

「………ほんとうに?」

「え?」

綺麗で優しそうな女の人の声が聞こえ、私は顔を上げた。そこにいたのは、下品に笑う嫌な目をした男じゃなくて、白いワンピース姿の母だった。

「…おかあさ……」

母が夢の中に出てきたのは初めてだった。

「あなたはほんとうにそう思っているの?」

「え?」

「あなたは命懸けで救ったじゃない友達の命を。ヴィラン側であるあなたが助ける必要のない命だったのに」

「それは違う。あのとき私は………」

あの時私は………何を思って走ったのだろう。

「……あ………ただ…死柄木を殺したかっただけ……」

「ダメな子」

突然冷たい声が私の耳を劈いた。

「ダメね全然ダメ。どうしてそんな子に育ったのかしら?やっぱり幼い頃に死に別れたのが原因?それとも別れた後の教育の原因?……きっと両方ね。あぁ、お母さん悲しいわ」

ふっと消え始める母。え……待って!!待ってよ!!何がダメだったの?ねぇ!お母さん!!

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「………目が覚めたかい?」

涙で視界がぼやける目をこすり、私は目を開けた。そこで微笑んでいたのは八木さんだった。
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