第4章 人命救助訓練とヴィラン連合
しかし、死柄木のその手は何かによって遮られた。
「!!!!!!」
「来たか」
オールマイトがほっとしたように呟いた。………時間切れだ。増援部隊が到着したのだ。
「あーあ。時間が来ちゃったよ黒霧。帰って出直すか。お土産も持ったし」
呑気そうにそう言う死柄木だが……土産!?まさか私のことじゃないだろうな!!冗談じゃない!!何のために雄英に入ったのか分かったもんじゃない!!私は慌てた。
「ちょっ!! 離してよ!!」
ジタバタと暴れるが、やはりびくともしない死柄木。こいつ細いくせに力は強いんだよな。
「引っ張られる!?」
「僕だ!!」
よし!!弛んだ!!今のうち………
「あー……今回は失敗したけど、今度は殺す、平和の象徴!! あと、これもういいや」
ひょいっと私を離して、力いっぱい振り上げた拳は私に向けて放たれた。
「ぐっ!!」
いいなら最初から離しとけや!!これだから、お前は嫌いなんだよ!!あきっぽくて、わがままで我慢が出来ない子供精神年齢が!!
死柄木からの拳をまともに受け、私は気を失いつつもどうにか着地しようとした。
「………もう大丈夫だ。助けるのが遅れて済まない犬猫山くん」
温かい体が私を受け止めたことは意識を失う最中ながらも覚えている。それはオールマイトにしては小さな体だった。そして、気のせいだとは思うが、微笑むその顔は八木さんのように思えた。