第4章 人命救助訓練とヴィラン連合
────
塚内くんが退出し、緑谷少年と私、それにまだ眠っている犬猫山くんだけになった。
「………目、覚ましませんね」
「大丈夫だ。もう時期目を覚ます」
しばらくして、犬猫山くんがうなされ始めた。夢でも見ているのだろうか。
「……お…かあさん……お母さん……行かないで……おかあ……さ……」
閉じた瞳からは大粒の涙が零れる。
「……オールマイト」
「ああ」
起こそうかと彼女に手を伸ばした時、その瞳は開かれた。そして、私の方を見て、微笑んだ。
「………八木さん?」
どんな辛い過去だったろうか。その夢を未だに見るのだろう。私はこの子の力にはなれないのだろうか。