第15章 新たな門出と、仮免
「ありがとう。イナサくんの個性も凄いよ」
私は彼にそう告げると、彼は唇をぎゅっと噛んだ。…こりゃ、ガチで惚れられたな…。
「あ、あの夜蝶ちゃん…俺…その…君が好きッス」
もう何度目の告白だろうか…だが、彼はその全ての告白に全力の思いを込めていた。…こんな私の何処がいいんだか。だが、不思議と嫌悪感は無かった。…ここまで真っ直ぐな思いをぶつけて来たのは、彼が初めてだからだろうか…? 私はもう何度目になるか分からない言葉を返す。
「ありがとう」
ぱあっと顔を輝かせ、私の手を取るイナサ。そして、私は彼と共に控え室へと向かうのだった。…さて、皆は合格できたのかなぁ…