第15章 新たな門出と、仮免
こうして、必殺技開発特訓が始まって数日が経過した。心操くんのおかげで、少し吹っ切れた私は、相澤先生の計らいもあって1人だけ別に自分の個性と向き合う時間を貰えた。
「あー…疲れたぁ…」
A組の皆は別行動取る私に、何も聞かずにいてくれる。そして、特訓後の女子会は恒例となっていた。
「へぇ!! 駅前にアイス屋さんできたんだぁ!!」
それぞれの進捗を発表や意見、さらには最近流行りのスイーツやファッションの話題も交換していく。百ちゃん、梅雨ちゃんが進捗や現状を話し、梅雨ちゃんがお茶子ちゃんに話題を振る。振るが、お茶子ちゃんは反応せずぼーっとしていて。つん、と突かれれば大仰に悲鳴をあげた。
「大丈夫? お茶子ちゃん疲れた?」
それなら早く寝た方が…そう提案するが、彼女は慌てて首を振った。
「いやいやいや!疲れてなんかいられへんまだまだこっから!…のハズなんだけど、何だろうねえ…最近ムダに心がザワつくんが多くてねえ」
私はふと、緑谷とよく一緒にいる彼女を思い浮かべた。………ふむ…それはきっと…
「恋だ」
「ギョ」
三奈ちゃんの素早い切り返しにお茶子ちゃんは林檎色の顔色になる緑谷か飯田か!と問い質され、チャウワチャウワと遂には浮いてしまったお茶子ちゃん。私もつい彼女が可愛くて、つんつんと突っついてしまう。すると、きっとこちらを見るお茶子ちゃん。
「そ、そういうてふてふちゃんはどうなの!!」
と、彼女なりの反撃が始まった。私はキョトンと首を傾げる。どう…とは?
「今付き合ってる人はおると?」
「確かに。気になる!! うちのクラスで彼氏持ちなのてふてふちゃんだけだしね!!」
三奈ちゃんも乗らないでいい話に乗ってくる。私はんー…と首を傾げた。
「今はそういうのいいかな…」
そう返す私に、三奈ちゃんと透ちゃんは目を輝かせた。あぁ…これは不味い流れだ…と私は彼女たちに苦笑いを零した。