• テキストサイズ

私の敵はヒーロー

第15章 新たな門出と、仮免


到着した雄英敷地内、校舎から徒歩五分、築三日の寮の名はハイツアライアンスと言った。ハイツアライアンス入り口に招集されたA組の前に相澤先生が見慣れたヒーロースーツ姿で立っている。ばちっと先生と目が合い、私はつい逸らしてしまった。病室でしこたま怒られたトラウマが蘇ったからだ。この先生は怒らせるとまじで怖い…もう絶対に忘れないでおこう…!!

「あ、てふてふちゃーん!!」

「美奈ちゃん!! 久しぶり!!!!」

美奈ちゃんが私に抱きつき、先生から目を離す口実ができてそのまましゃべっているとA組もみんな揃い出す。口々にお互いの無事を確認し合う生徒たち。だが、それを制した先生が、これからの学校生活の方針を説明する。合宿で取得予定だった仮免。その取得に向けて動いていくのだと。そして、相澤先生は大事な話だいいか…と鋭い目を私たちに向けた。

「轟、切島、緑谷、八百万、飯田。この五人は『あの晩あの場所』へ爆豪・犬猫山救出に赴いた」

静かな声…だがA組の皆の表情を強張らるのは十分だった。私だけわけも分からず、名前を言われた5人を見る。え、なんの話…?

「その様子だと行く素振りは皆も把握していたワケだ。色々棚上げした上で言わせて貰うよ。オールマイトの引退がなけりゃ俺は、爆豪・犬猫山・耳郎・葉隠以外全員除籍処分にしてる」

救出作戦を決行した五人は勿論、黙認した12人も理由はどうあれ学校側の信頼を裏切った…そう先生は言った。私が気絶している間に、そんなことが起こっていたとは…。

「だが、オールマイトの引退が世間に影響を及ぼし、敵連合の存在もある為に雄英から人を追い出す訳にはいかない」

先生は特に規律を破った5人に向けて、言葉を放った。

「だから、仮免試験に合格し、正規の形で活躍して、学校側の生徒に対する信頼を取り戻してくれ」

そして、あっさり普段の調子で元気に行こうと踵を返した先生。私たちはは置いてけぼりお通夜モードだ…。特に気まずそうに私と目を合わさない5人に対して私は目線を無理やり合わせるのだった。

「ちょっと…なんで私だけ仲間はずれ!?」
/ 328ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp