第14章 その後·····
「今日の予定は?」
「お前の代わりにあいつらの相手してくることだな。早速、死柄木の野郎が暴れ出しそうだ」
私はその光景が安易に想像でき、笑みを浮かべた。すると、虎太郎もクスリと笑う。
「明日は虎太郎が好きなアレ、買ってくる」
「本当に!? やった!!」
その子供のような反応に、私はふと幼少期の彼を重ね合わせた。ヒーローになりたいと言っていた彼の姿と。私は思わず聞いた。
「…私、あの個性で雄英入学できた。あれと同じような個性持ちの生徒もいる。どう? 今からでも遅くないから虎太郎も…」
すると、彼は答えた。私に満面の笑みを浮かべて、
「にゃあ」
と、YESともNOとも言えない返事を。そして、そこにいたはずの虎太郎の姿は消え、代わりに見慣れた姿の毛並みのいい猫の姿が現れた。
「………そう。やっぱりそっちの方がいいのね。クロシロ」
「にゃあ」
そう彼は一声鳴くと、飛んできた烏に飛び乗った。烏は彼が着ていた服を咥え、背にはその彼を乗せて飛び去った。
「……やっぱりその個性はあんたの方が似合ってるよ」
私は窓の縁に体を預けながら、その影を見送った。久々なのに使いこなしているその姿を見ると、動物を操る個性はやはりあいつのほうがしょうに合っている…そう思うのだった。