第13章 ヴィラン連合軍
「やぁ、夜蝶」
「…先程ぶりですね先生」
私は尻もちをつきながら溜息をついた。相変わらず、突然過ぎるのだ。
「君が彼の味方につくとはね。何か考えでもあるのかな?」
「先生か黒霧さんがこちら側に付けといわれたら、そうしていましたよ」
私は服についた埃を払いながらそう答えた。すると、先生は面白そうに笑い、こちら側をくるりと向いた。
「君には本当に期待しているんだよ。本心を隠し、人を欺くのが本当に上手だ。それが君の個性なら、僕が上手く利用してあげたのに」
にこっと笑うその顔は火傷だらけだ。彼はゆっくりと立ち上がり、マスクを手に取った。
「そろそろ奴がたどり着く頃だろう。その前に、君に返しておかないといけないものがある」
「……え?」
その途端、先生の顔が間近に現れた。私は後ろに下がらないようぐっと自分を留めた。
「今、平和の象徴が死柄木たちを拘束した。そしてココにも…」
その時、何か大きなものから私たちがいるこの建物を破壊する音が聞こえた。