第13章 ヴィラン連合軍
「……ヒーローですか?」
ということは、あの会見は陽動か…。私のつぶやきに先生は嬉しそうに微笑む。
「相変わらず察しがいいね」
そして、私の頭を両手で挟み、自分の顔を引き寄せる。
「その前にするべきことをしなくては…ね」
心底楽しそうに笑いながら先生はそう言った。突然、私はガンガンと金づちで叩かれたように頭痛がし、体の節々も痛くなる。まるで、急な成長に体が拒否反応を起こしているみたいだ。私が頭を抑えて倒れこむと、彼は私の体を抱えた。
「君は最初から私がいなくても大丈夫だったね。それが君の最も良いところだ。でもね、夜蝶。僕はそれがいつも寂しかったんだよ。君らは僕の子供同然だからね」
…知るか…。私は薄れゆく意識の中そう思った。子供同然なら、個性を取ったりやったりするな…自分の手の先から炎が揺れ動くのを見て私はそう思った。