第13章 ヴィラン連合軍
「行動については私の不徳の致すところです」
攻撃的な態度に、メディア嫌いの相澤先生が静かに淡々と頭を下げ、謝罪を述べた。そして、僅かに顔を上げる。
「体育祭でのソレは、彼の、“理想の強さ”に起因しています。誰よりも“トップヒーロー”と“理想像”を追い求め、もがいている。あれを見て“隙”と捉えたのなら、敵は浅はかであると私は考えております」
爆豪に対してのコメントはそれだった。そのコメントにニヤリと爆豪は笑う。そして、相澤先生は口を開いた。
「彼女は確かに被害者遺族です。敵に対する思いも、他の生徒より複雑でしょう。しかし、彼女はUSJの事件の際、人質になりながらもクラスメートを自らの身を呈して守り抜きました。私はそれを見て、彼女のヒーローとしての素質を感じました。彼女の境遇や能力を考えれば、敵側も招き入れたい人材でしょう。しかし、私はそれこそが彼らが彼女を見くびっているのだと捉えています。そんな浅はかな生徒ではありません」
「相澤先生…私の事そんな風に……」
思ってくれてたのね。私は思わずため息をこぼした。なんか、思っていた以上に上手く信頼を得ていたようだ。