第13章 ヴィラン連合軍
嫌味そうな記者の質問に答える、相澤先生と校長先生の声がテレビから流れる。
「爆豪くんに対してはタフなヒーロー性がある反面、体育祭での粗暴さや態度、精神面の不安定さなども散見されています」
「言いたい放題言われてんねぇ」
「雑魚がいくら喚こうが雑魚に変わりねぇ!」
「同じく、今回攫われた犬猫山夜蝶さん。彼女、最初のUSJ事件の際にも人質になっていたという情報がありますね。そういう危うい…言ってしまえば素質の薄そうな生徒を雄英に合格させたものです」
「はっ!! 同感だな」
「うっわぁ…傷つくわァ」
さらに記者は物知り顔で言葉を続けた。それには、私の過去の事件や被害者遺族ということ、それに彼氏取っかえ引っ変えということも根掘り葉掘り言い始める。
「…てめぇ言われ放題だな」
「…人気者は辛いってことよ」
あの爆豪でさえも同情のめを向け、私は肩を竦めた。そして、記者はとうとうビリビリヒーローイナズマの件も口出ししてきた。
「彼に対して、彼女は問答無用の攻撃をしたそうじゃないですか」
おっ!! あの件、もう調べてきたのか?私は顔に出さないように、死柄木たちを警戒するフリをしながら耳を傾けた。ヒーローを辞めた彼は今何をしてるのかなっと…
「彼はヒーローを引退した今でも、評論家として活動していますが……」
その他は、突然のエンデヴァーの隠し子発表、それに対する才能と重圧、エンデヴァー家族との関係性、そのほか諸々を突いてきた。それが、悪に隙を見せたのだと。しかし、私はそんなことはどうでも良かった。まぁ、隙を見せたとかそれ以前の問題で私はとっくにヴィラン側だし。それよりも、イナズマだ。あいつ…本当に分かってないなぁ。わかりやすく、脅したつもりだったんだけど。