第13章 ヴィラン連合軍
「不思議なもんだよなぁ…何故ヒーローが責められてる!?」
死柄木が上機嫌で腕を広げる。姿が見えなくても分かる。私は隠しもせず心底嫌な顔をした。どうせ今の私の顔が見えているのなんて壁くらいなものだ。
「……クソが!!」
爆豪が悪態をつくが、すぐに呻き声が聞こえる。まぁ、当たり前だ。彼は今、私が呼び出した脳無によって頭を押さえつけられているのだから。まったく、人使いがあらすぎる。潰さないようにするための力のコントロール、難しいんだからさ
「奴らは少ーし対応がズレただけだ! 現代ヒーローってのは硬っ苦しいなァ爆豪くんよ!」
死柄木の長い演説にそろそろ飽きてきた私は少し身じろぐ。
「…おい、ステインのご後継者様をいつまでそのような姿にさせておくつもりだ」
隣で誰かがそういう声が聞こえ、私はくるっと一回転させられた。
「…悪ぃな。まさかマグネがやられるとは思っていなかったもんでな」
ちらりと見ると、マグネがハンカチを口に当てざめざめと泣いていた。隣ではトガヒミコが背をさすっている。…いや別にやられてはないだろ。そんな会話をしていると、死柄木の視線を感じる。……大方、爆豪を解放しろとかそんなことだろう。せっかく拘束したのにさ。まっ、脳無がいるから再び暴れ出すほど馬鹿じゃないだろう。私は軽く口を開け、脳無に命令を出した。