第13章 ヴィラン連合軍
「……荼毘、拘束外せ」
「は?暴れるぞこいつら」
ギャーギャー騒ぐ私たちにため息をこぼす死柄木。死柄木はスカウトならば対等でいなければと、私をちらりと見て言う。いや、連れてきた時点で、対等もクソもないけどね。
「おい、夜蝶」
「はいはい。どけ、でしょ」
私は笑いそうになる口をなんとか押さえ込んでそう言った。実は爆豪の手枷はすでに解放されている。私が何の考えもなく喚き散らしていた訳ないじゃない。死柄木の計画なんて、滅茶苦茶にしてやる。せいぜい、頑張ってね、爆豪。私は彼の邪魔にならないように立ち上がろうとした。
「いや……俺から離れんなよ」
「ん?」
荼毘がこちらに近づいてくる。爆豪が暴れ出すまで、あと少し。