第13章 ヴィラン連合軍
「…まぁ、君が首を縦にするまで、俺らは勧誘し続けるけどな」
散々私を笑いものにした死柄木が、私の方をにやりと見る。うえ…キモイ…。あまりのキモさに顔を逸らすと、荼毘がこちらに歩いて来るのが見えた。それとなんか知らないトカゲみたいなやつも。多分ヒーロー殺しの狂信者だろう。
「気分はどうだ?」
「最悪に決まってるでしょ」
オカマの手から奪うように、私を抱える荼毘。後ろで抑制された手元の錠と、足の錠がガチリと重い音を立てる。…私は物か!!
「ヒーロー殺しの意思は俺が継ぐ。お前はその道標となってくれればいい。俺は荼毘。本名じゃねぇが…出すべき時が来たら名を明かす。お前とヒーロー殺しのために、それと在るべき社会のために…命ある限り尽くそう」
いやだから、私はその在るべき社会には興味がないんだってば!! でも、下手なこと言えないしなぁ…。というか、先生はこの人たちあげるって言ってたけど、本音を言えばどうでもいいんだよなぁ…。ぶっちゃけると、割と本気で。
「えーと…荼毘…さんでしたっけ? 急に命をかけるとか言われましても…まったくついていけないと言いますか………うわっ!?」
見覚えのあるお馴染みの黒い闇に包み込まれ、気づけば私はこの世で最も嫌いな相手の腕の中にいるという屈辱的な体勢になった。
「え…なにこれ……」
「おい!! 夜蝶!! てめぇ、誰にでもベタベタと触らせてんじゃねぇよ!! 尻軽か!!!!」
爆豪からの理不尽な悪口が私を襲う。私は反論した。尻軽はないでしょ尻軽は!!
「いや、仕方が無いでしょ。だって、私拘束され………うぐっ!?」
いきなりの腹パンに私は思わず吹き出す。こいつ…私が嫌いなら距離おけよほんと
「……死柄木。不必要に傷つけるな」
「あぁ、悪い悪い。」
そう言いながら、死柄木は私をくるりと一回転させ、爆豪に私の顔が見えるように体勢を変えさせる。……何がしたいんだこいつ。
「さぁ、爆豪くん。勧誘の続きだ。君のクラスメートのこいつを助けたくはないかい?」
うおっ…最悪の手をつかいやがったぞこいつ