第12章 楽しい楽しい林間合宿
「夜蝶!!」
「んあ!?」
ドスンっという音とともに呼ばれた名前。私は目を開けた。え…私寝てたの?キョロキョロすると、私の名を呼んだのは轟だということに気づく。荼毘が私を見て微笑んだ。
「よく寝てたな」
「げっ!!」
気づけば、荼毘たちはとうの昔に合流していたようで、緑谷、轟、障子たちが彼らを追いかけているという場面だ。わぁ、私ってお寝坊さん!!
「あ、起きられたんですかぁ?寝ているお顔も本当にかぁいいかったですけど、その大きな瞳もかぁいいですねぇ。初めまして、私はトガヒミコです。ステ様の後継者様!!」
緑谷を押さえつけながら、トガヒミコが私にそう話しかける。私はハッとしてあたりを見渡す。トゥワイス、荼毘の他に、トガヒミコ、Mr.コンプレスなど捕まれば即死刑執行される犯罪者たち揃い。……うわぁ……こりゃやばいな。まさか他にもいないだろうな
「夜蝶!! 動けねぇのか!!」
さすが轟。私の状態をひとめ見ただけでそう判断し、こちらに向かってくる。
「夜蝶ちゃん!! 今…助けるから!!」
もうすっかり昔呼びの緑谷は、トガヒミコが。障子は荼毘の炎が襲ったらしく、体の一部が焼け焦げている。
……ん?
轟、緑谷、障子……私はこのメンバーを見て首を傾げた。あれ?2人足りなく無い?
「爆豪くんは!? え、常闇くんは無事!?」
それぞれ、肝試しのペアが足りないのだ。緑谷は私、障子は常闇、そして轟は爆豪。
「嘘でしょ!! 捕まったの!? やばいじゃん!!!!!! おい、こらヴィラン!!私をはなせぇぇぇぇぇ!!」