第12章 楽しい楽しい林間合宿
圧迫される空気…私に向けられる歪な目…。それを見た瞬間、私はとてつもない嘔吐感に襲われた。
「おっと…そうか…そうだったなお前は。忘れてたぜ」
せり上がってくる嘔吐物を私は必死で押さえ込むが、荼毘は私を地に降ろすと、背を撫でた。
「今のうち吐いてた方が身のためだぜ」
「…………」
「だから、吐いてた方が身のためだって」
そして、私の口を強引に開け、そいつは思いっきり私の口に手を突っ込んだ。
「!?!?!?!?!?」
嘔吐反射で、私はもう止めようのない胃の逆流を感じ、顔を地面に近づけた。
「トラウマを呼び起こしちまったみてぇですまねぇな。確か、両親が目の前で殺されたんだっけ?」
涙目の目で睨む。こんな屈辱受けたの…先生のとき以外にないと思っていた。
「おいおい荼毘、チンたらするな!! そんな女さっさとMr.コンプレスの個性で玉にすればいいだろ!! 荼毘、女子をそんな風に扱っちゃだめだぜ」
「…最悪…」
水で口をすすがれ、私はげんなりしながら再び荼毘に抱えられた。Mr.コンプレス…奴も来ているのか…、面倒な奴らばかり引き連れて…
「いや、必要ない。どうせまだ動けねぇよ」
私の頬をそっと撫でる手にゾッとしながら、抵抗のできない私はもう何度目かになるか分からない囚われの身を経験するのだった。黒霧さん…相澤先生…誰でもいいから助けてぇ…