第12章 楽しい楽しい林間合宿
「………そろそろいいと思うんだけどなぁ…黒霧さん…」
もう2人からは見えない位置まで落ちてきた。地面というか木が近づいてくる。まさか…まさかとは思うけど、あの人帰ったんじゃないだろうな。
「…あまり好ましい人物じゃないと言ってたから、てっきりボコされるところも見てると思ってたけど……。今頃、『本当に彼らのみで大丈夫でしょうか?』なーんて死柄木あたりに言ってそう…有り得る」
その光景が容易く想像出来た。その時、死柄木は爆豪の体育祭のときの写真を手にして笑ってそうだ。…………うわっ…ありえそう…。
「………えー…どうしよ…」
黒霧さんに頼れないとなれば、自分でなんとかするしかない。セイマーを使うか?土は痛そうだし……あ!!
「緑谷の個性があるじゃん!! よしよし!!そうと決まれば…」
私が指を2回鳴らすと、セイマーが私より先に木の方へと近づく。
「よし!! 周りに誰もいませんよーに!!」
私がもう一度指を鳴らすと、緑谷の個性が発生。周りに爆発音が響き、私は衝撃で方向が変わる。
「よしよし……このまま川へ……は?」
木が一掃され、剥き出しになった地面を見て私は顔を引き攣らせた。え…なんで火が……。木が多く生い茂っていたため、私は気づかなかったのだ。よく見ればそこら中、火が燃え広がっていた。川も炎が覆っていて、あそこに落ちることは自殺行為に近い。
「最悪!! これもヴィランがしたの!? 自然環境考えろっての!!」
熱い炎が私を遅い、火が私の皮膚を焼く音がする。私は指を2回鳴らした。衝撃はまともに食らうが仕方がない。