第12章 楽しい楽しい林間合宿
「あ、お前は爆豪ってガキがどこにいるのか知ってるか? そうすれば、手間は省けるな」
私は頭を抱えたくなった。あなたが個人的に私に用がある…とかじゃないよねうん。今回の仕事に何故、元々そっち側の私が含まれているのねぇ!
「…そこまで上手くいくわけねぇよな。じゃ、取り敢えず、逃げられねぇように四肢の骨を折って…あ…でもこいつ動物操る個性だったな……。じゃあ、やっぱり少し痛めつけるかなんかして……っ!?」
物騒なことを言いながら近づいてくるヴィランに、緑谷の一撃がはいる。
「おもしれぇ!!」
脳細胞が筋肉のこいつは、すぐに興味の対象が緑谷へと外れ、戦闘に戻る。
「……あんた…狙われてんのか…!!」
洸太くんが怯えた目で私を見て、そして緑谷も余裕がないくせに私を見る。お前は戦闘に集中しろ!! その、緑谷と目が合う。その目は…
「…はいはい。洸太くんを連れて、相澤先生のところへ…だっけ」
私はくるりときびすを返し、全力ダッシュ。確か、ここから相澤先生たちがいる施設は……
「行かせるかよ」
「っ!? ……緑谷!!!!」
私たちの目の前に立ち塞がったヴィラン。緑谷は…後ろを振り返ると、そこには血だらけで倒れている緑谷の姿があった。