第12章 楽しい楽しい林間合宿
「だーかーら、俺から逃げられると思うなよ、犬猫山」
「えーまじで…」
洸太くんの震えが伝わってくる。私は心底嫌そうな顔をした。お前は何故、私のことを知らないんだよ!!!!!!
「緑谷を殺したら、次はそのガキ、そして最後にお前だ。逃げるなよ?それにどっちみち、緑谷は……」
「なんでだよ!!!!」
私の腕の中で、洸太くんが叫ぶ。その叫ぶ相手は…ヴィランではなく緑谷だった。
「なんで……何も知らないくせに……なんで!!!!!!」
「ガキが…」
興が冷めたとばかりに、拳を振り上げるヴィラン。…まずい。この怪力…私じゃ太刀打ちできんぞ。
「なんでだよぉぉぉ!!!!!!!!」
間に合うか…私は指を指を2回鳴らした。地面がせり上がり、私たちの前に盾のように立ち塞がる。
「こんな土っころで俺の攻撃が防げると思って……」
「いや、これ防ぐためじゃないし」
やっぱ、脳細胞まで筋肉になっちゃってるんだなこいつ