第12章 楽しい楽しい林間合宿
私が嫌な気配に気づいたのは、昨日の夜の事だった。遠くの崖に何やら奇妙な影が蠢くのを確認した私は黒霧さんに連絡した。
「ええ。来ます」
黒霧さんの答えに思わず私はぶち切れそうだった。ええ。来ますじゃないよ!! こっちは全く聞いてないんですけど???また、死柄木が我慢できなくなってのことかと思い、USJの二の舞になるのではと懸念したが……
「いいえ。死柄木なりに考えがあっての作戦です。今回は烏合の衆ではなく、それぞれ力と個性を持った方々ですし」
…最近仲間になったという彼らか。しかし、私の不安はぬぐい去ることは無かった。果たして、こっちの事情など露ほども知らない奴らが上手くやれるのだろうか。
「あなたが心配する必要はありませんよ。あなたはあなたの任務だけ見ていればいいのですから」
黒霧さんが念押しするように私に告げた任務。それは…
「爆豪勝己を我々の手の内に引き入れること…それがあなたの今回の任務ですよ。忘れないでくださいね」