第12章 楽しい楽しい林間合宿
必死でやると、あっという間に夜になるものでして…。夜ご飯である肉じゃがをお腹いっぱい食べたあとは楽しみの肝試しとなる。
「肝を試す時間だー!!」
と、三奈ちゃんがガッツポーズをしていると、すでに情など持ち合わせていない相澤先生が補習を告げた。
「うそだろ!!!!!!」
三奈ちゃんが今まで見た事のない表情をし、私に涙目で訴える。私も涙で彼女を送り出す。
「い、いやだ……嫌だァァァ!!!!」
相澤先生の捕縛布に引っ張られ連行される補習組。その中でも三奈ちゃんだけは、肝を試させてくれぇ!と叫びながら活きのいい鮮魚のように跳ね、最後の抵抗を見せていたのだった。
くじ引きにより、私は緑谷ペアで1番最後となった。出発まで時間がある。
「えっ!? どこへ行くの、犬猫山さん」
ペアの緑谷が慌てて私に聞く。こいつも幽霊とかダメなタチなのか?私は笑顔で答えた。
「御手洗。失禁なんてしたくないからさ」
でも、ごめんね。多分、私たちが肝試しに出発することはないと思うんだ。