第11章 演習試験
「………あいつから連絡があったのかにゃ…」
クロシロがため息をしながら、私にそう言った。…相変わらず鋭いな…。そう言えば、こいつは元々キレるやつだったと、久々に思い出す。私は縁石にのりながら、子供のように両手を広げてバランスを取った。
「大方、ステインの件だにゃ。そうでなくても、あまりいい顔をされてにゃいんだから…!!」
説教が始まりそうだ。私は苦笑いを零す。
「はいはい。これからはひっそりと過ごしますよ」
「そういうことを言ってるんじゃにゃいにゃ!!!!」
怒られた。これも久しぶりだ。私はぷりぷりと怒るクロシロを、ひょいっと抱き上げ、背をひとなでした。
「心配かけてごめんごめん。ちょっと奮発するからさ。選びな」
「もう!! いつもそれだにゃ!!」
と言いながらも、クロシロの機嫌は直ったようだった。