第11章 演習試験
あの男が捕まり、私が家の外へと出たのは、事件から丸々一日が経っていた時だった。
「よかったわ!! ご両親が命を呈してあなたを守ったのね」
とか
「ご両親のことは残念だが、君が無事でよかった!! これからは、ご両親の分も生きるんだよ」
とか
全く…今考えても、反吐が出るような言葉が私を包んだ。身を呈して私を助けた?逆だ。男の狙いは最初から私だったことは明白だ。父と母、そして叔母さんは私のせいで死んだようなものだった。
「夜蝶ちゃん。君の御両親には親戚がいなかった。君は…施設に送られることになる」
そう告げられ、私は孤児院へと送られた。私は昼間、ぼんやりと空を見て過ごす日が多くなった。
「いやぁぁぁ!」
そして、夜は夢に魘され、ほぼ毎日自分の悲鳴で飛び起きるということを繰り返していた。白い壁が…赤黒く汚れていく夢。それが限界に達した時、気づけば私は孤児院を抜け出していた。そして、目を覚ました時、私は………
「やぁ、目が覚めたかい?」
それが私と先生の出会いだった。