第11章 演習試験
こうして、とうとう期末試験がやってきた。私達は爆豪の手によって、完成体へ仕上がり、試験へと臨んだ。三奈ちゃんも最初は不安げだったが、終わる頃にはにこにこしていた。どうやら、爆豪の山が当たったようだ。
「あとは、演習だけだ!! ロボをぶっ壊して、花火だぁ!!」
そう言ってはしゃぐ三奈ちゃんを見ながら、私は思った。そう簡単に行くのかな?、と。
そうして、筆記テストは滞りなく終わり問題の演習試験の日がやってきた。コスチュームを身につけ準備万端、そん私たちの前には先生たちがズラリと並んでいた。その光景…まさに圧巻もの。烏合の衆がこの場にいたら、尻尾を巻いて逃げ出すレベル。響香ちゃんが先生たちの多さに言葉を漏らし、私の隣で透ちゃんも数えている。
相澤先生からの説明が始まり、三奈ちゃんと上鳴くんがロボ演習なら余裕だと雄叫びを挙げるが…。そんな二人の歓声にまったをかけたのは校長先生。相澤先生の捕縛布から出てきた。…あの先生も、見た目を裏切るキレ者の1人。…めんどうな個性持ちだ。
「残念!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
ほら、やっぱり。三奈ちゃん達を見ると、2人共、絶望的な顔をしていた。2人に構わず、校長先生は話を続ける。
「これからは対人戦闘・活動を見据えたより実戦に近い教えを重視するのさ!というわけで…諸君にはこれから二人一組でここに居る教師一人と戦闘を行ってもらう!」
これまでの成績や動きの傾向、親密度などを考慮してペアの組と対戦する教師は独断で決めた…相澤先生が校長の話を引き継いだ。ここで、私を含め複数が首を傾げた。
「先生!! このクラスでは、2人1組とはなりません!! どこか、3人1組にでもするのでしょうか?」
飯田が私たちの言いたいことを代弁してくれ、私達も頷く。そして、私は急にここで嫌なものを感じ取った。嫌な…予感…がする。相澤先生がちらりとこちらを見て、それが的中したのだと知る。
「いや、2人1組だ。ただし、犬猫山。お前は別枠措置だ」