• テキストサイズ

私の敵はヒーロー

第3章 学校生活


帰り道、うんっと背伸びをしていた。

「あ、あの…! 犬猫山さん!」

不意に声をかけられ、振り返るとそこには緑谷がいた。

「あれ?緑谷くん。奇遇だねぇー。緑谷くんも帰り道こっちなの?」

何の用かは知らないが都合はよかった。こいつのヒーローオタクには興味がある。こいつがいなければ、イレイザー・ヘッドを危うく見逃すところだった。

「あ、いや……そういうわけじゃないんだけど……あっ、あのさ…間違いだったらごめん!!その……」

「ん?」

帰り道ではなく、わざわざこちらの方に来たというのであれば私に用がある…そういうことだろう。しかし、緑谷のその用を聞く事は無かった。

「おい!!俺の彼女に何のようだチビ!!」

突然、豪華な車が現れたかと思うと、中から新戸が出てきたからだ。

「えっ!? いや…その……」

「新戸先輩!! もしかして会いに来てくれたんですか?」

私は新戸が緑谷になにかする前に、彼に近寄って腕を組んだ。

「あぁ。デートのお誘いにな。もちろん行くだろ?」

「ええ。先輩のお誘いをお断するわけありませんよ」

そう言うと、新戸は満足そうに車へ乗るよう促す。

「あ、ごめん緑谷くん。また明日ね」

「あっ……うん」

車に乗ると、さっそく私の肩に自分の腕を回してくる新戸。私は彼の肩に頭を置いた。ちらっとバックミラーを見ると、緑谷がこちらを寂しそうに見つめていた。
/ 328ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp