第9章 私たちのはちゃめちゃな職場体験
「夜蝶。お前、何泣かせてんだ?」
食べ終わった轟がそう私の隣に来るまで、運転手は泣き続けた。
「だ、大丈夫です坊ちゃん。ううっ!!」
「……泣くか、食べるかどっちかにしたらどうだ?」
私は最後の麺を啜ると、轟と共に席を立った。エンデヴァーを見ると、もうお会計を済ませ、外へ出ていた。
「…気になるのか?」
「ん?何が?」
勘が良いのか、悪いのか…。私が轟にそう言うと、彼は前を歩いた。
「…何かあれば言えよ。俺はお前の兄貴なんだからな」
またそれか。私は苦笑いをし、彼の後ろをついて行った。