第9章 私たちのはちゃめちゃな職場体験
「つ…疲れた…」
私はホテルのベッドにダイブする。事故の片付けの後、休みなくそのまま保須へと向かった私たち。その後、お昼休憩もなしに見回りをし、そして現在夜の9時まで体験は続いた。
「……重労働すぎで…しょ…」
私は大きくため息をつき、携帯を取り出す。休憩どころかお昼も食べる時間がなかった。新着は……
「…げっ!! 」
…電話が入ってるし……しかも、何件も…。私は慌てて電話をした。
「も…もしもし……」
「………今頃かけてくるとは…」
少しお怒りの黒霧さん。私は休みもなく働いていたことを告げ、謝った。
「……まぁ、あなたもお忙しいことかと思いましたが…こちらも少々危ない橋を渡っていましたので…」
……ヒーロー殺しか。やはり一悶着あったようだ。私はふぅっとため息をつく。
「……私がその場にいたとしても、何も変わらないと思いますがね」
「いいえ? 少なくとも、死柄木が無駄に殺気を振る舞うことはなくなります」
いや、それって私がそれを集中的に受けるという事じゃん。私はため息を吐く。
「……では、もう私に要件はないということですね」
電話を切ろうとすると、黒霧さんは名残惜しそうな声を出す。
「随分と素っ気ないですね。世間話もなしとは」
私はげんなりとするのを抑え、笑った。
「お忙しそうですから。では、また」
そして、電話を切ると、私は携帯を放り投げた。さらに疲れた気がする…。そして、私はそのまま目を瞑り、眠の世界へと落ちていった。