第8章 職場体験の前に起こったゴタゴタ
「…来たか」
そして、やけに豪華な一軒家に連れてこられた私は、とある和室へと連れていかれた。そこいたのは、甚平服を着たエンデヴァーだった。…いや、…来たかじゃないし
「あの…一体…どういう……」
「体育祭、感情に任せた無様な試合だった」
私の質問には答えず、そう切り出すエンデヴァー。ピリッとしたものを肌で感じ、無意識に体が強ばる。
「あいつはお前を褒めていたが、俺は及第点すらやれないと思っている」
脳裏に、エンデヴァーと私の母親の関係が過ぎった。母親の実の兄…それが自分だとエンデヴァーは言った。体育祭で私を認められたら教えると…そう彼は言ったが…。教える気はないと言いたいのか…。しかし、彼の言葉は私の予想とは違っていた。彼は簡潔にこう言ったのだ。
「…お前の母親は父親と駆け落ちし、その時に家から縁をきられている。お前が孤児院行きになったのは、そのためだ」
そして、エンデヴァーはお茶を啜る。……教えてくれたと言うことは…私のことは認めてくれたということ?…この人、分かりづらいな。…お母さんは、逆にとても分かりやすい人だったっけ…。いつも笑顔で…とても優しい人だった。
「お前の部屋はここから2個奥の部屋だ」
話は以上だというように、立ち上がるエンデヴァー。私は飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。