第7章 指名と名前決め
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「君はヒーロー社会の被害者だ。夜蝶」
そう私に優しい言葉をかける先生。まだ幼い私の頭をそっと撫で、そして大きく息を吐く。
「辛かっただろう…悲しかっただろう…大好きな両親と無理やり引き裂かれて…。この悲しみの連鎖を、私たちで断ち切ろうじゃないか」
先生の背後から、まだ幼い死柄木の姿が見えた。…ひどい顔で、彼は私を睨んでいた。先生が私に優しい言葉をなげかけ、そして触れる度に、彼の私への憎悪は膨らんでいく。
「君のご両親の敵を討つ。そのために、君にこの名を与えよう。我らの理想を実現させるために必要なものだ」
気づいたら私は、先生に抱きしめられていた。じんわりと温かい体温が伝わってきて、私はぼんやりと人の温かさに触れるのはいつぶりかと考えていた。こんなにも、怖い人だと思うのに。…体温の温かさは、他の人と変わらなかった。
「君のヴィラン名は…」
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そして、私は微笑んだ。名前なんて一瞬で決まった。私の心は決まっている。
「いつでもどこでも何度でも…あなたの友達と守ってみせます。庇護心くすぐりヒーロー『くろしろ』!!!」
「「「ペットの名前ぇぇぇ!?!?」」」