第7章 指名と名前決め
ザワザワとする教室の中、チャイムの音と共に、包帯の取れた相澤先生が入ってきた。大人しく席につき、ピタッと声が止む教室に私は思わずクスリと笑いが込み上げる。
「…おはよう」
相澤先生がちらっとこちらを見るのが分かり、慌てて真面目そうな顔を作る。相澤先生に挨拶を返す中、梅雨ちゃんが嬉しそうに相澤先生に声をかけた。
「相澤先生、包帯取れたのね。良かったわ」
確かに、脳無にぐちゃぐちゃにされた鼻もすっかり元通り。リカバリーガールが凄いのか、相澤先生の回復力が凄いのか…。そのまま復帰できなかったらよかったのに…と少し残念がる。
「婆さんの処置が大げさなんだよ。んなもんより、今日のヒーロー情報学…ちょっと特別だぞ」
だるそうにそう相澤先生が言うと、クラスがザワっとなる。勉強を苦手としている人は小テストなのでは…と顔を青くするものもいる。そんな中、相澤先生は口を開いた。
「コードネーム。ヒーロー名の考案だ」
「胸が膨らむやつきたぁぁぁぁぁ!!」
予想外の楽しそうなイベントに、盛り上がるクラスメートたち。
「…というのも…」
相澤先生の個性が発動すると、再びシンッとなるクラス。あぁ…もう表情筋が痛い…!私が声を押し殺して笑っていると、相澤先生の説明が再び始まった。