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私の敵はヒーロー

第7章 指名と名前決め


学校に着くと、緑谷と雨合羽を脱ぐ飯田と遭遇した。私は2人に向かって手を振る。

「おっはよー!」

「あっ!お、おはよう!犬猫山さん!!」

2人は何か大事な話をしてたようなよそよそしい雰囲気。まぁ、わざとだけど。私は気付かないふりをして、何気ない会話を振ろうとした。しかし…

「兄の件なら心配ご無用だ犬猫山くん! 君にもいらぬ心労をかけてすまなかったな」

飯田に先を越されてしまう。

「あ…」

そして、スタスタと早足で教室へと向かう飯田。飯田の明らかに自然に装う不自然さと、緑谷の躊躇する姿を見て、私はあぁ…とその理由を思い出した。そう言えば、飯田の兄は…ヒーロー殺しに襲われたんだっけ?

「……飯田くん…大丈夫かな…」

ヒーロー殺し…ステイン。早速暴れ始めたか。全く、黒霧さんったら何を言ったのだろうか?彼は早速、人気上昇中のヒーロー、インゲニウムを復帰不能まで追い込み、さらに次の敵を狙おうと身を潜めているのだそう。

「…………飯田…敵討ちとか馬鹿なこと考えてないといいけど…」

私は思わず呟いてしまった。しかし、彼も馬鹿ではない。自分と相手の力量くらい分かっていることだろう。
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