第6章 雄英体育祭
「いやいや。君の果敢な攻撃に、タジタジな爆豪少年も見れたしね。さらには、引き際も分かってた君に、私から言えることは1つだけさ」
そして、私の頭をわしゃわしゃとするオールマイト。…力が…力が凄くて、首が折れそう。
「私たちヒーローにとって、それはとても大切なことだ。自分を見失わなさえしなければ、きっと君の力へとなるだろう。そうすれば、君も自分自身を認めることができるからさ!」
……自分を認める?私は首を傾げた。先程、彼は私は自分をよく分かってると言っていなかったか?
「私は自分を認めていますよオールマイト。だからこそ、足りない部分を補うことが出来たんです。今回はこのような結果になりましたが……次は絶対にやり遂げてみせます」
ここで、私のイタズラ心が騒いだ。この満足そうに頷く、私の敵に一泡吹かせたくなったのだ。そして、轟の方に行こうとするオールマイトを呼び止め、私は笑って口を開いた。
「…私、相澤先生のようなヒーローになりたいですから。だから、頑張ります」
私は微笑み、彼にそう言った。さぁ…彼はどんな顔をするだろうか?期待して待っていると、彼は振り向いた。
「…そうか。君ならなれるさ!私が保証しよう!」
安堵したような…そんな表情を私に向けると、彼は轟の方へと向かっていった。
「……性格も平和の象徴、か…」
つまんないの。私は気づかれないように、一つため息をついた。