• テキストサイズ

私の敵はヒーロー

第6章 雄英体育祭


「ギャハハハ!!」

耳障りな声が頭に響く。私は思わず耳を塞ぎ、目を開けた。

「ばあ」

私をおちょくるように顔を近づけ、手をひらひらとさせる男。私はその顔を見た瞬間、拳に力がこもるのが分かった。周りの光景は黒から赤へと変わっていく。

「やっと目を覚ましたか? せっかくお前のために色々準備したってのに」

「………」

私は目を再び瞑った。…落ち着け…これは夢だ。夢だ…夢。これはもう過去の話だ。今、この男は刑務所にいるのだから。

「おやおや? 本当にお寝坊さんだなぁ」

気分が悪い。この男が夢に出てくるだなんて…最悪だ。

「夜蝶。本当にお寝坊さんねぇ」

高い柔らかい声が私の耳を擽った。それは…いつも起こしてくれた母の声で…。ハッと顔を上げ、そして私は悲鳴を上げた。

「ママに怒られちゃいますよぉ」

私の目に映った光景……血だらけの母の首を持った男の姿だった。
/ 328ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp