第6章 雄英体育祭
「てんめぇ…舐めてんのかァァァァァ!! 」
暴れ狂う馬のように突っ込んでくる爆豪を、先生がコンクリートで全力で止めにかかる。
「だってさっきの爆発で、隠し持ってたセイムたち全部使っちゃったんだもん。この身一つで爆豪くんに挑むの無謀すぎるでしょ」
私はスタスタとステージから降りる。後ろで爆豪が何か怒鳴っているが、無視だ無視。
「よく頑張った!!凄かったぞ!!」
「タフネス相手によく健闘した!!やはり、今日のMVPは君だ!!」
客席から歓声があがり、私は彼らに一礼をし、応援してくれたクラスメートたちには手を振っておいた。
「待てや!!また逃げんのか夜蝶!!」
爆豪が私にコンクリートを欠片を力いっぱい投げつける。私の真横をひゅんっと通り過ぎる。振り向けば、爆豪は手も足も先生に拘束されていた。あっぶな…猛獣かよ。私は思わず笑った。
「逃げるが勝ちって昔から言うじゃん。ちゃんと火傷の治療しないと危ないよ、かっちゃん」
手をひらひらさせて、私はゲートから退場したのだった。