第6章 雄英体育祭
「ば…爆豪!まさかの自爆かぁぁぁ!?!?」
プレゼントマイクの声がグワングワンと頭を鳴らす。私はゆっくりと立ち上がった。
「まったく…セイムは爆豪の個性と同化したのであって、その衝撃は同化できないんだけど…」
「クソ…アマ……」
風が吹き、私の体温を奪ってくれる。周りを見れば、粉々になった荒れたステージ。……こりゃ、説教もんだな。
「お……おーっとぉぉぉぉ!! 二人とも無事だァァァ!!よかった!マジでよかった!」
どうやら、先生達が止めてくれたらしい。私はコンクリートの破片をパンパンっと払った。そんな中、ゆらりとひとつの影が立ち上がる。
「クソっ!!クソっ!! ナメてんのか!!」
爆豪は心底腹立ただしいとばかりに、上着を叩きつける。彼の周りには、巨大なセイムの成れの果てたちが転がっている。
「なんで俺を庇いやがった!!! ふざけんな、夜蝶!!!」
怒りのせいか、昔のように私の名を呼ぶ爆豪。私は肩を竦めた。
「けしかけちゃった私が悪いけどさ…かっちゃんも追い込まれたからって自爆するの良くない……」
「あァ!?誰が自爆だ!! 死ぬのはてめぇだけだクソアマ!!それにな!誰が追い込まれたって?俺が勝ってたわ自惚れんなクソが!!!」
………タフネス。私は馬鹿馬鹿しくなり、ふぅっと息を吐いた。先生達も呆れたようにこちらを見ている。
「こっからが本番だ! 覚悟しろ……」
「参りました」
私は爆豪の言葉を遮り、そう先生達に申告した。
「は?」