第6章 雄英体育祭
あぁ…あまり刺激しないで欲しい。私は半目で彼の様子をちらりと見た。案の定、彼はイライラと眉間にシワを寄せている。
「ば…爆豪くん。私、全然気にしてな……」
「謝れ!! ヒーローらしくねぇぞ!!」
「男ならちゃんと謝罪しろ!!」
ブーイングの嵐に、彼の眉間にピキピキと青筋がたつ。私は思わずヒッと悲鳴をあげると、爆豪が今までにないくらい怖い顔で、怒鳴り散らした。
「外野がピーチクパーチクうっせぇぇぇ!! ちゃんと責任取ってやるから、邪魔すんじゃねぇよ!!!!」
ピシッと場の空気が凍りついた。私も凍りつく。ま…まじかよ。いくら挑発にのりやすい性格と言えども…売り言葉に買い言葉すぎるぞ爆豪。私は盛大に首を振った。
「いや…間に合ってますので結構です」
「あぁ!!!んだとてめぇ!!!」
「ひぃっ!!」
爆豪がキッと私を睨み、私は顔を逸らす。なにこれ…めっちゃ怖っ!なんで私が怒られんの!?爆豪が爆発を何度もしながら、こちらに近づいてくる。
「こっちだって、てめぇみたいなやつお断りだクソアマ!! ガリガリのジジイにも媚びてんじゃねぇよ!クソが!!!」
ピキっと顔を逸らす私の動きが止まる。ガリガリの…ジジイ……?
「てめぇはクソモブ共にばっか媚を売りやがって!! 見ててイライラすんだよなぁ!! どうせ、そのガリガリのジジイも鼻の下伸ばして………」
「……うるさい」
もう我慢の限界だった。私は指を3回鳴らす。セイムたちが一気に集まり、同化していく。
「爆豪……ちょっと口が過ぎたね…」
そして、その巨大な魚は私の合図で思いっきり火を吹いた。