第6章 雄英体育祭
「クソっ!!お前っ…!!」
やはり爆豪は先程の反動で、個性は今すぐには使えない。私はしっかりと彼を抱きしめているため、そのまま倒れていく。このまま行けば、先に爆豪が場外に……
「舐めんなぁァァァ!!」
「は?」
私は気づけば投げ飛ばされていた。このタフネス、あの体勢でかつ不意打ちにも関わらず、これを回避するか!?
「クソアマがチマチマした小細工を使いやがって!!」
「まじか…君、才能マンのタフネスすぎでしょ」
私は受身をとり、場外を免れる。しかし、体勢を整える前に、爆豪が私に襲いかかる。
「次はこっちからぶっ殺す!!!」
私は思いっきり地面に手を付き、彼に足蹴りを食らわしたが、難なくガードされ、距離を取ろうとする私を徐々に追い込んでいく。
「そんなもんかよ!! 犬猫山!!」
地味に初めて名前を呼ばれるような気がするが、今はそれどころじゃない。気を抜けば、私は黒焦げにされる。私は口を開けた。
「セイムかなんだか知らねぇが、操る暇さえ与えねぇよ!!!」
彼は私の手を狙い、指を鳴らさせないよう細心の注意を払っている。本当、戦いづらい相手だな君は!!
「もうっ!! しつこい男は嫌われるよ!!!」
私は思わず、彼の腕を力いっぱい払った。その時、彼の唇が孤を描き、私はハッとする。
「しま…っ!」
彼は払われた腕を力いっぱい私に突きつけた。
「気づくのがおせぇんだよ!!!死えェェェェェェ!!!」
目の前で爆発が起こり、私は思いっきり飛ばされた。