第6章 雄英体育祭
「何かと思えば、こんなゴミクズどもか!!」
相変わらずの火力で、有象無象を蹴散らしていく爆豪。私はニヤニヤする顔を抑えて、それを見守る。1/3くらい蹴散らされたところで、私は口を開いた。
「緑谷くんと轟くんの試合、凄かったね」
「あぁ!?」
挑発にのりやすい性格で助かる助かる。彼はより大きな爆発をしながら、私を睨む。私は煽るようにクスクス笑った。
「爆豪くんもそう思うでしょ? だって君……轟くんはおろか、デッくんにも負け続きじゃな………」
「んだとこのクソアマァァァ!!!」
やはり緑谷効果は絶大だ。彼は一瞬で間合いをつめ、私に思いっきり右腕を振り上げた。私は横目で彼を見た。爆発が私に襲いかかるまで、あと少し。そして、今までより大きな爆発が私を襲った。
「お……おっとぉぉぉぉ!!! 爆豪の攻撃をまともに食らっちまったァァァ!?!? 大丈夫か!犬猫山!!! ってか、死んだかァァァ!?!?」
「いや、死んでねぇだろ。適当なこと言うなよ」
相澤先生のツッコミと同時に、爆豪が思いっきり吹っ飛ばされる。
「っ!?!?」
凄い勢いで吹っ飛ぶ爆豪は、ギリギリのところで耐え、場外は免れる。私はあーあと残念そうに呟く。そのまま、場外になっててくれれば、私も奥の手を見せずに済んだのに…。
「おい、クソアマ!!何しやがった!!」
爆発をもろに食らったはずの私が無傷でたっているのを見て、気に食わないとばかりに叫ぶ爆豪。だんだんと煙が晴れ、視界がハッキリとする。
「な…なんだァァァ!! あの巨人は!?!? どこから現れやがったぁ!?!?」
「最初からいただろ」
爆豪をふっ飛ばしたのは、私の後ろにそびえ立つ大きな土偶。そして、私たちの周りには先ほどより少し減った小魚たちが浮いている。先ほどと違う点を挙げるなら…無色だった彼らに色がついたというところか。火のように真っ赤な色が。