第6章 雄英体育祭
「俺はてめェに俺との差を見せつけて、俺が上だって分からせる為にここに立ってんだ!! てめぇの実力はそんなもんじゃねぇだろ!! 全力出せや、出し惜しみしてんじゃねぇぞ!!」
ブチギレている爆豪の手の中で、最後の土偶が爆発される。口ではそんなこと言いながらも、何故かわたしが攻撃に出るのを待っている爆豪。その姿が、つんつん頭の男の子と被り、思わずクスクスと笑いがこぼれる。
「買いかぶりすぎでしょ。爆豪くんの方が、わたしより断然強いよ」
「あ?」
ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞと言わんばかりのギラギラした目線を向ける爆豪。私は手に持っていたそれを放り投げた。
「でも、ただでやられるつもりはないよ」
それは今までのように地面に落ちることはなく、ふわふわと浮いた。最初は豆粒だったものが、小魚のように形を変えていく。爆豪の眉がピクっと動いた。
「さぁ、尋常に勝負だよ!かっちゃん!!」
私はそう叫ぶと、その小魚たちの半分を爆豪に襲いかからせた。