第6章 雄英体育祭
「さあさあこちらも注目の準決勝!才能マンっぷりと容赦のなさを炸裂させる爆豪!バーサス、好成績を引っさげ、男共と対等の実力を見せた上に、ここまで瞬殺の犬猫山!おい!頑張れよ!!才能マンなんかに負けんじゃねぇぞ!!そんじゃまあ!START!」
歓声が沸き、開始の合図とともに爆豪の爆発が遠慮なく連発される。私の小細工をさせないためだ。私はそれを避け、指を2回鳴らした。爆豪の周りに浮き上がった地面が覆い被さる。
「3回目となれば…もう小細工はいらないんだ!!」
自分から参ったと言わないプライドの塊だということは分かっているので、狙うのは三奈ちゃん同様場外だ。
「舐めんじゃねぇ!!」
「……うわ…タフネス…」
凄まじい勢いの熱風が吹き荒れ、地面が粉々にされる。……常闇同様、念には念を入れて3層にしたのに…。私は顔を引き攣らせた。すると、突然反射神経の塊でもある爆豪が、煙に紛れ、私の近くで大きく振りかぶるのが目に入った。
「ちっ…」
しかし、読んでいた私はそれを難なく躱し、彼に地面で作った土偶を2体けしかける。お茶子ちゃんとの試合で、爆豪の反射神経は学習済み。
「おいっ!! てめぇ……」
やはり、土偶は爆豪の火力に耐えきれず、ボロボロ。んー、爆豪用に調節したんだけど…。私は懐からあるものを取り出した。……これ…私の最終兵器だから、できれば使いたくなかったんだけど…。その考えている間にも、爆豪は次々と作り出していく土偶たちに心底腹立だしそうに、私を睨んでいる。
「おいっクソアマ!!なんだこの攻撃は!!!何かあるならとっとと出せ!! ぶっ殺すぞ!!!」