第6章 雄英体育祭
私と常闇くんの試合。やはりそれも一瞬で終わりを迎える。
「……参った…」
試合開始とともに迫るダークシャドウを地面が覆い被さる。念には念を入れて、3層くらいで彼を拘束したので、流石に動けないようだ。
「苦しいよね、ごめん。今元に戻すから…」
やりすぎた。私の試合は本当に一瞬で終わってしまうので、会場もあまり沸かない。ちょっとずるいのではないかという声もある。
「ダークシャドウもごめんね。君ら強すぎるからさ。私、めちゃめちゃ怖くって」
「嘘つけ。お前は最初から俺達がこの場所に来るように狙っていただろう」
…バレてたか。私は曖昧に笑うと、彼らを解放した。
「…次は爆豪か。お前がどういう戦い方をするのか…見せてもらうぞ」
常闇くんが私に手を出す。私は頷き、彼の手を握った。……次は準決勝。もうそろそろ力を出してもいいか。私はちらりと観客席を見た。爆豪と目が合った気がした。その目は…
「……全力でやらなきゃ、ぶっ殺すぞ…か」
「…爆豪か…」
私は常闇くんに笑いかけ、彼と共に会場を去った。