第6章 雄英体育祭

「芦戸さん！場外！犬猫山さん二回戦進出！」

「う……嘘ぉぉぉぉ！？！？！？」

私は叫ぶ彼女に申し訳なさそうな顔を向けた。私が指を鳴らすと、地面から生えた草は腐り、場内は何事も無かったように元通り。

「ごめんね、三奈ちゃん。三奈ちゃんのその強い個性で来られたら、すぐ負けちゃうからさ」

「は…反則だよー！」

私は尻もちをついたままの彼女を起こし、2人で手を繋いで観客席へと戻った。

「もー！ずるいよ！動物以外も操れるんじゃん！」

客席でも戻てもむくれたままの彼女に、私は困ったように笑う。まだネタバレをするわけにはいかないからだ。だが、すぐに三奈ちゃんの意識は、次に始まる試合に移る。次は…お茶子ちゃんと爆豪の試合だ。