第6章 雄英体育祭
「あ!夜蝶!!おっそーい!」
「いやー! 案外、上鳴くん早く敗れるし、飯田くんは結構かかるかなぁって思って、色々下準備してたんだけど…こっちもこっちで準備に時間がかかっちゃって…」
「えっ!? 準備? なにそれー!!ずっるーい!!」
「ちゃんと、申請したもん」
慌ただしくステージに到着し、誤魔化しながら三奈ちゃんと対面する。正直、プレゼントマイクの紹介なんて私達は聞いちゃいなかった。私はずるいを連発して、頬を膨らませる三奈ちゃんに問いかけた。
「はい、芦戸さん!私の個性ってなんでしたっけ?」
「えっ!? んーと、猫を操るんだったよね!! あの可愛い猫ちゃん!」
「んー…当たらずとも遠からずかな。私は、猫だけじゃなくて動物を操る個性だから、三奈ちゃんみたいに、自分の体だけじゃ戦えないの。だから、これの使用を認めてもらっていいかな?」
「んー!確かにそうだね! そう運良く、動物なんていないし…うん!いいよ!!」
私はありがとうと笑った。三奈ちゃんから笑顔でのお許しも貰ったことですし…やりますか。ミッドナイト先生の合図で、試合が始まる。三奈ちゃんがこちらに足を踏み出すより先に、私は地面にあるものをばらまいた。
「………へ?」
地面が揺れたかと思うと、地面からいきなり生えてきた草によって、三奈ちゃんは場外となった。