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松の間

第19章 囲う*カラ松


真夜中だろうか
なんか呻き声が聞こえる気がして目が覚めた

「な、何・・・誰」

カ「く、うぅ・・」

え、カラ松さんだったの

広いベッドの端からカラ松さんに近付く
眉を寄せ、額に脂汗を浮かべている

バスローブで寝ているが肌蹴ているとこから、包帯と血が滲んでいるのが見えた

「嘘、どうしよう・・・包帯変えたりした方がいいのかな」

応急処置すらしてない可能性もある

「救急箱なんてあるのかな」

部屋の中を探してみるが見当たらない

カ『部屋を出るなよ、ブラザー達に何されるか分からないからな』

初めてこの部屋にきた時のカラ松さんの言葉が過ぎる
でも傷が化膿したら・・・今はカラ松さんの体の方が大事だ

意を決して部屋を出た


真夜中にもかかわらず意外と廊下は明るい

「えーと」

誰かに聞こうにも人がいない
廊下の真ん中でキョロキョロしていると

?「なにしてんの」

「ヒィッ」

突如真後ろから低い声が響き、肩をビクつかせる
振り返るとそこには紫のネクタイをした人がいた

「い、一松、さん」

みんな何度かカラ松さんに用事で部屋に来たりしていたので、何となくは覚えた

一「なにしてんの」

さして興味無さそうに再び問われる

「あの、救急箱みたいなのが欲しいんですが」

答えた途端クルリと踵を返す一松さん
え、ひどい

一「こっち」

放って置かれるかと思った
ついて来いと顎をクイッと動かす一松さん

やっぱり悪い人じゃないのかな、カラ松さんの兄弟だし
とりあえず後ろを大人しくついて行くことにした


一松さんは振り向くこともなく歩き、そう離れていない部屋の戸を開く

一「ここ。入って」

医務室とかなのかな
消毒液と包帯と、と必要なものを頭に浮かべながら中へと入る

すると後ろから顎とお腹の辺りを押さえられた

一「ねぇ、あんたクソ松とどこまでいってんの・・・ってもう抱かれてるか。あいつ手ぇ早いもんな、いつも」

なにをいっているの
カラ松さんに抱かれた?手が早い?

・・・・・・いつも?

突然投げつけられた言葉に思考が追いつかない

一「だったら問題ないよな」

お腹を押さえていた手が裾を捲るように動く

「や、やめ・・・」


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