第15章 振り向いて*おそ松
そんなある日
忘れ物を取りに教室に戻ると、室内に彩がいた
お「あれ、居残り?」
「おそ松君か。今度の試験、上の方取りたいから」
ふーん
お「チョロ松に近付きたいから?」
「え、なんで」
お「好きなんだろ?見てれば分かる」
そう言えば一気に赤くなる顔
あらら、バレてないつもりだったのかねぇ
「チョロ松君には言わないで」
お「言わないよ?俺君が好きだもん。わざわざあいつに教えるわけないじゃん」
ポカンとしている
お「ね、今度の試験、俺がチョロ松より上だったら付き合ってよ」
キッと睨まれる
「私の気持ちは無視なの?おそ松君がよければそれでいいわけ?」
お「だって俺バカだからこんな方法しか分かんないもん!どうしたら俺の方見てくれるんだよ!」
分かんない、どうしたらいいかなんて
ただ君に振り向いてほしい
チョロ松に勝てる部分なんてない
けれどこんな苛立ちをぶつけたって仕方ない
取りに来たものを手にするのも忘れて教室を飛び出していた
どうしよう
あんなこと言うだけ言って逃げてしまった
もう無理だろうな
でも、やるだけやってみよう
勝てないかもしれない
それでも彩のことは本気だから
意味がないかもしれないけど・・・
お「図書館でも行くか」
その日から、俺の図書館通いが始まった