第15章 振り向いて*おそ松
side.おそ松
俺の相棒であるチョロ松
クラスも同じでなにかと一緒にいることが多い
最近気が付いた
そのチョロ松によく話しかけている子がいる
その子の視線の意味も
多分チョロ松自身は気付いてない
そういうの疎いみたいだな
お「チョロ松ぅ、次の数学の課題教えて」
チ「お前の場合教えてじゃなくて、写させてだろ」
お「いいじゃん、な?」
いつものやり取り
そろそろかな
「あの、チョロ松君」
チ「あぁ、彩さん。何?」
やっぱり来た
大体俺が話してる時に割り込むようにくるんだよなぁ
お「じゃ、ノート借りるな~」
チ「はいはい、どうぞ」
ふぅと溜息をついて答えるチョロ松
去り際に彩の顔を見る
頬を赤くしてチョロ松を見つめていた
あーあ、恋する乙女だねぇ
こんな風に彩の視線の意味に気付いてから、彼女を目で追うことが増えた
チョロ松と話す以外は普通の女の子
ただ話さずとも視線がチョロ松に向いていることが多い
そうして彼女を目で追ううちに、チョロ松が羨ましくなってきた
あんなにも一途に想いを向けられるなんて
あの視線、想いを向けてほしい
俺が独占したい
いつの間にか俺が彼女を好きになっていた