第6章 再会から*トド松
駅前、公園、商店街なんかを昔話に花を咲かせながら巡る
ト「あの頃一之瀬ちゃん結構モテてたよね~」
「嘘だぁ、告白されたことないのに」
ト「ちなみに今は?」
これ確認しとかなきゃね
始まるものも始まらない
「残念ながらお一人様ですぅ」
ト「なら一緒だ♪」
「そう、なんだ」
あれ、今の間なんだろ。僕変なこと言ったかな
「もうすぐ日が暮れるね」
ト「ね、飲みに行かない?無理にとは言わないけど」
あわよくば…なんてちょっとゲスいことも考えちゃったり
「いいね、行こっか」
フゥーーッ!これはいけるぞ
心の中でガッツポーズする
来たのは普通の居酒屋
いきなりお洒落なバーとかだと、警戒されちゃうだろうしねぇ
ト「かんぱーい」
とりあえず生ビールでジョッキを鳴らす
と、そのまま1杯飲み干した
2人ともすぐに2杯目を頼む
「今日はありがとうね、トド松君」
ビールを半分位飲んで言う一之瀬ちゃん
ト「別にいいよ、暇だったし。せっかく一之瀬ちゃんと再会できたんだし」
ニコッと笑いながら言う
すると一之瀬ちゃんが俯きながら、ポツポツと話し出した
「ここへ戻って来て、最初に会ったのがトド松君で嬉しかった」
ト「僕?」
「うん、ずっとね…好きだったの」
狙ってたことが突然現実になる
突然すぎて頭が追い付かない
「お酒の力借りないと言えないなんてズルいよね」
ト「そんなこと…」
ないって言いたい。まだそんなに飲んでないし
「今は何も言わないで。もう少し勇気が出たら、今度はちゃんと言うから」
ト「・・・分かった」
ちょっと気まずくなって、会話少なに時間が過ぎる
そのままお開きになった