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松の間

第6章 再会から*トド松


『なんとも思ってない人でも、好意を寄せられてると分かると、気になるようになることもある』

前にテレビか何かで言っていた
僕は今まさにそれだ

元々再会した時に狙ってたけど、ハッキリと告白された今一之瀬ちゃんが気になって仕方ない

待っててって言われたけど、早く会いたい
会って気持ちを伝えたい

でも女の子が勇気を出すのに、それを台無しにする訳にはいかないから待つしかない

ト「・・・はぁ」

鳴らないスマホを眺める

ピロン♪

ト「きたっ!」

『今度の日曜日、公園の橋で待ってます』

ト「日曜日か、はやく来ないかなぁ」


 *  *  *  *  *

日曜日、公園に行くとすでに一之瀬ちゃんがいた

ト「ごめんね、待った?」

「ううん、大丈夫。こっちこそ呼び出してごめんね」

ふぅ、と小さくため息をついている
意を決したようにパッと顔を上げた

「高校の時からずっと好きです」

一之瀬ちゃんの顔は真っ赤だ

「いつも女の子が周りにいて諦めてたの。でも引っ越してからもトド松君が忘れられなくて」

肩が微かに震えてる。手もスカートをギュッと握りしめて
ここまで勇気を出してくれた
僕も応えてあげなくちゃ

ト「ねぇ、一之瀬ちゃん」

「な、何?」

ト「再会した時、僕正直一之瀬ちゃんて分からなかったし、再会から始まるのいいじゃんって不純なこと考えてたんだ」

何となく顔が見れなくて、伏し目がちに言う
でもちゃんと伝えなきゃ、目を見て

ト「でも君に好きだって言われて、僕も好きになっちゃったみたい。こんな僕でもいいかな?」

「今さら嫌いになんてならないよ」

トド松君がいいんだもん、そう言って抱き付いてくる
ちょ、意外と大胆じゃない?!

でも、逃がさないように抱き締め返す

ト「僕、結構嫉妬深いから覚悟してね?」

「叶わないと思ってたから、嫉妬されるのも嬉しい、かも」

あぁ、ダメだ。可愛い、好きだよぉ

ト「ねぇ、僕だって男だよ?そんな風に言われたら…」

チュッ

ト「抑えられないよ?」

ビックリしたのか一之瀬ちゃん固まっちゃった
今からこんなんじゃ、困るなぁ
僕、手加減しないから本当に覚悟してね一之瀬ちゃん?





-fin-
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